【四柱推命】命式に「財」がないから金運がないわけではない

「正財」と「偏財」の「財」が示すことは、主に金運を示すとされます。命式中にこの「財星」があることで、金運があるということができます。

1つだけでなく複数個持っていることで、相当の金運がある、お金を動かす機会に恵まれる、などと読むことができます。

それでは、1つもない場合はどうでしょうか。金運がない、お金に縁がない、ということになるのでしょうか。

答えは「いいえ」です。

たとえば、アメリカのドナルド・トランプ大統領の命式を見てみると、「財星」はありませんでした。(生年月日から算出。時刻は不明。)

その代わりに目立ってある星は「正官」、「食神」、「印綬」など。

もともとの職業としては不動産業やさまざまな事業の経営者、現在は政治家、という人物です。人物像を踏まえて命式を読むと以下のような解釈ができました。

「好奇心、探求心が旺盛。慈悲深さが共存しながらも、後先考えずに感情をぶつけることで良くも悪くも周囲の人々の気持ちを掴むことができる人。自ら社会のために身を捧げる度胸と覚悟を持つことができる。直接的、現実的、また金銭的な結果を求め過ぎない人。ビジネスの世界では、戦略を立てたり勝負をかけることはあまりせず、正道を貫くタイプ。出生にご縁のあるご先祖様は、生前に多くの徳を積んだ人かも。この人にとっては知識と社会性と好奇心が大きな意味があり、それらに丁寧に取り組むことで、結果として財運が流れてくる。」

正直、トランプさんに財星が一つもないのは意外でした。しかし、別の要素も考慮して解釈すると、財星を補って余りある強力な星も見られました。何よりも、ご本人が認識しているか否かに関わらず、お金以外の何か大きな目標や展望を見据え、そのために情熱を捧げているのではないかと思います。

また別の見方をするとトランプさんには、財、お金よりも重要なものがあって、そこに傾ける強力なエネルギーが推進力となって、成し得るために必要な財が集まってくるのかもしれません。

このように、命式に持つ星の特徴は、そのままその人のパーソナリティや適性を教えてくれます。

財星がないのに、お金だけを求めても上手くいかないということになります。持っている他の星、要素を活かし、そのための行動を起こすことが運を好転させるのです。

また、世間一般の声に惑わされて、お金が最優先事項であるかのように思うこともどうでしょう。違和感はありませんか? すべての人に当てはまらない価値観というものは、お金に限らずよくあります。自分の本質を見つめてみること、何が自分を幸せにするのか、自分らしさとは何か、などなど… 自分を見つめてみることは快適に生きるために必要でしょう。

自分の生年月日、時刻、が教えてくれる運命や使命、というものに頼ってみると、普段意識していなかった本来の自分を知る一助になるかもしれません。