
コーヒーは、一つの五行には収まらない。
豆になると土性、香りになると木性や火性、
飲み物としては水性、希少性では金性。
つまり「コーヒーは五行の縮図」なのだ。
「どうしてコーヒーは、こんなにも人を惹きつけるんだろう」とよく考えます。
豆を挽く音、立ち上る香り、一口目の余韻 —— どれを取っても日常の小さな儀式のようで、気持ちが整う瞬間があります。
コーヒーを、私の占いのテーマである「五行」でとらえてみたらどうなるのか。
その問いが、このシリーズの出発点です。
コーヒーチェーン店の「気」(木性・土性)
コーヒーチェーン店は気軽に立ち寄ることができ、コーヒーを飲むことに加えて様々な用途や目的をもって利用することができます。
そんなコーヒーチェーン店に入ると、不思議と「気持ちがフラットになるな」「今日は作業が進むな」と感じることがあります。
コーヒーそのものよりも、空間が持つ安心感と整いの力が大きく働いているように思えます。
チェーン店は
- どこへ行っても同じ内装
- 同じメニュー
- 似たような席の配置
という「規則性」があります。
この「一定である」「ブレがない」という性質は、
- 木性(三碧・四緑)の整然とした流れ
- 土性(二黒・八白)の地盤の安定
の組み合わせに近いのです。
だから、初めて入る店でも落ち着けるし、集中しやすい。
馴染み深く、予想できる空間は、五行でいうと木性と土性が調和している状態に似ています。
初めての土地にあっても、慣れ親しんだ空気感を持つコーヒーチェーン店に入れば気持ちを落ち着けることができる。
朝・昼下がり・夕~夜、どの時間帯でも、多くの人の気の状態に寄り添うことができるのが最大の特徴であり、万人に愛されるゆえんなのだと思います。
レトロ喫茶店の「気」(水性)
個人店主のこじんまりした喫茶店や、昔ながらの喫茶店、昭和レトロな喫茶店…
そんなレトロ喫茶店に入ると、なぜか時間がゆっくり流れるように感じませんか。
照明の暗さ、年季の入った家具、コーヒーの香りが染み込んだ空気。
そこには水性(一白)の「静けさ・深さ・内に向かう力」が強く漂っています。
水性は「記憶・内省・深い感情」を司る行。
レトロ喫茶店の存在そのものがなぜか昔を懐かしむ空気を醸し出します。
店に入れば、一瞬で昔の風景へと誘われ、思い出が溢れるような気がします。気持ちが和らぎ、心が内側へ還っていく感覚が起きやすい…
水性の場の空気は、人の体内の水に共鳴し、互いに引き寄せる性質が生まれます。
その相乗効果によって、レトロ喫茶店のような水性の空間では、心が自然と落ち着き、深い静けさが戻ってくるのです。
悩みごとを整理したい日や、気持ちが少し揺らいでいる日には、レトロ喫茶のゆったりした水性の気が心に寄り添ってくれるように感じます。
スペシャリティコーヒー店の気(火性・金性)
スペシャリティコーヒー店に入ると、空間が明るく、店員さんの距離感も軽やかで、コーヒーへのこだわりがはっきり伝わってきます。
この「軽やかさ」「こだわり」「明るさ」は、まさに火性(九紫)の気。
火性は
- 情熱
- 個性
- 美意識
- 洗練
を表します。
また、豆の希少性や本質、高級感へのこだわりは金性(六白・七赤)の気を帯びます。
金性は
- 希少性
- 本物・高級志向
- 熟成
- 繊細な味覚
を表します。
一杯のコーヒーを通して世界観を伝えようとするお店ほど、火性や金性が強く出やすくなります。
香りの説明、焙煎度合いの解説、豆の産地の話など、情報の温度が高く、訪れる人の好奇心や感性を刺激してくれるのです。
刺激が高い分、万人受けすることはあえて目指さないお店も多いように感じますが、その分、貴重な体験をさせてくれる空間だと感じます。
なぜ人は同じコーヒーでも店によって気分が変わるのか?
飲んでいるコーヒーは同じでも、
五行の気が違う空間に入ると、心の向く方向が変わります。
- 木性 → 整理・方向性・軽い集中
- 土性 → 安心・安定・ちょうど良さ
- 水性 → 内省・静けさ・落ち着き
- 火性 → 刺激・感性・ワクワク
- 金性 → 洗練・収縮・心が引き締まる
「今日はあの店に行きたい」
と感じるとき、見えない意識によってその日の自分のちょうど良い五行に引き寄せられています。
本日のむすび
喫茶店とは、五行ごとの空気感の違いを楽しむ場所
コーヒー店の個性は、味やメニューだけで決まるわけではありません。
空間の「気」が、訪れる人の心を調整する装置になっているのです。
今日の自分にはどんな五行が必要だろう。
落ち着きたいのか、集中したいのか、刺激がほしいのか。
その日の「気のコンディション」でお店を選ぶと、
いつもの一杯が、少し違う味わいに感じられるかもしれません。
コーヒーを飲む前と、飲んだ後、自分の気持ちの変化を感じてみてくださいね。
