―— 五行の多面性と人の多面性 ―—

コーヒーは、一つの五行には収まらない。
豆になると土性、香りになると木性や火性、
飲み物としては水性、希少性では金性。
つまり「コーヒーは五行の縮図」なのだ。
私は毎日コーヒーを淹れながら、「どうしてコーヒーは、こんなにも人を惹きつけるんだろう」とよく考えます。
豆を挽く音、立ち上る香り、一口目の余韻 —— どれを取っても日常の小さな儀式のようで、気持ちが整う瞬間があります。
コーヒー好きとして日々接しているうちに、その魅力は単なる味や香りだけではなく、もっと深いところで人の心に働きかけているように感じるようになりました。
そんなコーヒーを、私の占いのテーマである「五行」でとらえてみたらどうなるのか。
その問いが、このシリーズの出発点です。
コーヒーは見る角度によって五行が変わる
コーヒーは、ひとことで単なる「飲み物」と言えない不思議な存在です。
液体として見れば水性(一白)の性質。
でも、豆として見れば土性(二黒・八白)にも金性(六白)にもなるし、
香りやアロマは木性(三碧・四緑)や金性(七赤)にも分類できる。
豆の焙煎には火性(九紫)を使い、その焙煎度に強弱をつける。
浅煎りは木性、深煎りや発酵は土性。
希少豆は六白・七赤。
文化や流行・トレンドは九紫。
一杯のコーヒーの中に、五行すべてが生きている感じさえします。
「どこを見るか」で意味が変わる。
同じものが、いくつもの顔を持つ。
これって、まさに人間そのものだな、と感じる瞬間です。
人の体や心の五行も、ひとつじゃない
人の五行も、実はひとつではありません。
本命星だけで判断できるほど単純なものではなくて、
体質、気質、行動パターン、人間関係、人生のテーマ…
どこに視点を置くかで「その人の五行」はいくらでも姿を変えます。
・感情は水性
・行動は木性
・価値観は金性
・食生活は土性
・趣味や美意識は火性
…など、視点を変えるたびに、その人の新しい側面が浮かび上がっていきます。
「私はこれ」ではなく、
「私の中のこの部分は、こういう五行を帯びている」と見ていくことで、
もっと立体的で、豊かに、そして可能性を広げることができる、と私は思っています。
自然体で五行と向き合うことで見えてくるもの
五行は、無理に当てはめるものではなくて、
暮らしの中で自然に立ち上ってくる感覚だと思っています。
たとえば今日のコーヒー。
浅煎りが飲みたいなら、木行の「伸びたい」という気持ちが出ているのかもしれない。
深煎りを選ぶときは、土行や水行の「落ち着きたい」「鎮めたい」感覚があるのかもしれない。
実際に一般的なコーヒーショップでは、モーニングブレンドのように朝の時間帯に提供されるコーヒーには、浅煎りで酸味のあるブレンドが多い気がします。
そして午後のコーヒーブレイクには、中・深煎りのコクのあるブレンドがよく好まれるイメージがあります。
ちょうど一日の活動が落ち着いてきた時間帯の一杯、という感じ…。
「今日はこういう風に飲みたい」
「今はこういう香りがしっくり来る」
その小さな変化を楽しむだけで、五行は自然に整っていくはず。
構えて分析するより、自然に手が伸びるところに、無意識に香りが直感を刺激するものに、五行の整いが隠されているかもしれません。
本日のむすび
コーヒーの好みは人によってそれぞれで、そのどれもが「正解」と思っています。
そのすべての好みが、人を元気づけたり、心を落ち着かせたり、癒してくれる。
コーヒーは、「懐が深い」存在です。
そして五行で読んでみると、コーヒーは、見る角度でその五行が変わることに気付きました。
人もまた、場面によって五行が変わります。
このように多面的に捉えると、自分にも他人にも、もっと余白ができる気がします。
コーヒーは静かにそこに在って、私たちの気を整えてくれているのかもしれません。
