#3 天干(十干)の基本 (後編)
前回は以下についてご紹介しました。
- 天干(十干)とは
- 日干とは
- 日干の重要性
- 天干(十干)の種類
- 五行の関係性(相生・相剋・比和)
- 天干(十干)と五行の関係の重要性
今日は、天干(十干)の後半です。
10種類ある「天干」の一つ一つについてご紹介していきます。
天干(十干)の種類
まずは、天干(十干)の種類をもう一度おさらいします。
木 | 木の兄 | 甲 | きのえ |
木の弟 | 乙 | きのと | |
火 | 火の兄 | 丙 | ひのえ |
火の弟 | 丁 | ひのと | |
土 | 土の兄 | 戊 | つちのえ |
土の弟 | 己 | つちのと | |
金 | 金の兄 | 庚 | かのえ |
金の弟 | 辛 | かのと | |
水 | 水の兄 | 壬 | みずのえ |
水の弟 | 癸 | みずのと |
それでは、甲・乙からそれぞれ、象徴する意味と、示される性格の特徴をご紹介していきましょう。
甲・乙
甲と乙は「木性」です。
相生 ・・・ 水、火
相剋 ・・・ 土、金
比和 ・・・ 木
水は木に養分を与え、木は火を生じます(火に勢いを与える)。
木は土を尅し(地中で木が腐食する)、
木は金に尅されます(金の硬さで木が折れる)。
木は同じ木と同化して調和します。
甲: 大樹
地平線から朝日が昇るように、陽春に恵まれて地下から新芽が萌え出るような勢いのある人。新規開拓の意欲強く陽気で活発、自信に満ちたポジティブ人間。
乙: 草花
控えめで温厚、情が深く信用を得る人。一定期間の後に花が咲き誇るように成就の時をじっくり待ち、やり遂げる強さとしなやかさを持つ。自分を強く持つことが肝要。
丙・丁
丙と丁は「火性」です。
相生 ・・・ 木、土
相剋 ・・・ 金、水
比和 ・・・ 火
木は火を生じ、火が燃えた後の灰によって土が生じます。
火は金を尅し(火の熱が金を溶かす)、
火は水に尅されます(水が火を消す)。
火は同じ火と同化して調和します。
丙: 太陽
陽気で活動的、創造性に富み好奇心旺盛。目立ちたがり屋で多くの人の注目を浴びる表現者の気質。色彩感覚、美的感覚に優れ、衣服のセンスが良い。財より名誉が大事。
丁: 灯・ろうそくの火
丁寧で親切な人、人への尊重の心があり、人に寄り添い導く人格者。温厚で誠実な性格の持ち主。専門性を極め自分の世界を持つ職人気質の人も。淋しがりやの一面もあり。
戊・己
戊と己は「土性」です。
相生 ・・・ 火、金
相剋 ・・・ 水、木
比和 ・・・ 土
火が燃えた後の灰によって土が生じ、土は地中に金(鉱物)を生みます。
土は水を尅し(土によって水が濁る)、
土は木に尅されます(地中で木が腐食する)。
土は同じ土と同化して調和します。
戊: 山・大地
安定感があり着実な歩みで目的達成まで粘り強く努力する。頼られるとNoと言えず他者のために大胆に働く気概もあり。時に大きな実行力と俊敏さの特異性も持ち合わせる。
己: 田園
義理人情に厚く、温和で周囲との調和を図ることを常とする。慎重さと思慮深さで迷いやすい一面も。気に入った人にはとことん尽くすが、それ以外の人には厳しく冷たい。
庚・辛
庚と辛は「金性」です。
相生 ・・・ 土、水
相剋 ・・・ 木、火
比和 ・・・ 金
土は地中に金(鉱物)を生じ、金は大気に触れて水を生じます。
金は木を尅し(金の硬さで木が折れる)、
金は火に尅されます(火の熱が金を溶かす)、
金は同じ金と同化して調和します。
庚: 鋼鉄
行動力抜群、常に人のため社会のために動いていたい人。論理的思考が強く情緒に欠ける部分もあるが、結果を出す責任感がある。頭脳派で人を説得する力強い言葉を使う。
辛: 宝石
繊細な心と美的感覚を持ち、鋭い感性を持つ人。社会常識や秩序を守る道徳心も厚い。思考力を持ちながらも感情に嘘がないため、人への好き嫌いが激しく出る場合がある。
壬・癸
壬と癸は「水性」です。
相生 ・・・ 木、金
相剋 ・・・ 火、土
比和 ・・・ 水
水は木を生じ、金によって水が生じます。
水は火を尅し(水が火を消す)、
水は土に尅されます(土によって水が濁る)。
水は同じ水と同化して調和します。
壬: 海
自己独立の強い性格で、新規事への挑戦、新天地への進出など躊躇がない。人が真似できない大胆さと行動力を持つ。直感と決断力がある。個人より広い社会への影響力を持つ。
癸: 雨
思慮深く知識欲旺盛、専門分野の研究に勤しみ努力を怠らない。人には愛情深いが、自分はネガティブ思考になりがち。自身の生き方が人に大きな影響を与える、指導者の気質もある。
天干(十干)の作用
天干(十干)に当てられた特徴を見ると、自然界の現象が表現されています。互いに影響しあうことで、それぞれの存在の意味が出てくることがわかると思います。
木も、火も、土も、金も、水も、すべての要素は単体では意味をほとんど持ちません。
- 大地(戊)に植えられている木(甲)は、斧(庚)で伐採されなければ、人や社会の役に立てない
- 湿気を含んだ田んぼの土(己)は、苗木(乙)と雨(癸)と太陽(丙)と、すべてが協力し合って収穫となる
- 春の雪解けの時、湧き水や大河の水(壬)が氾濫しないように、力強い堤防(戊)が必要
このように、すべての要素が人や社会にとって必要不可欠であることがわかるのです。
五行には等しく強弱がある
「九星気学の基本」でもご説明したように、五行の関係性にはすべての要素に「等しく強弱」があります。
そしてそれぞれが、「良い」・「悪い」ではないことがわかります。
一つの表現として例えるならば、
「好き/嫌い」かもしれないし、
「向き/不向き」かもしれません。
この五行の関係性は、九星気学と十の天干で、すべての根底にある考え方になっています。
今日のまとめ
今日は天干(十干)の基本の後半、10種類の「天干」についてご紹介しました。
これを踏まえて、ご自分と身近な人の日干の種類から、お互いの強弱関係(力関係!?)を調べてみてください。
それぞれの存在の意味がわかると、すべては「バランス」だと気付くことがあるかもしれません。
日干を調べたい方は以下の方法でどうぞ!
- 手動・計算して調べる >> 日干の調べ方
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生年月日を忘れずにお書き添えください。
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- ネット検索・・・「干支カレンダー」などのワードで検索したサイトで日干を調べられることが多いです。
ここまで3回に分けて
<基礎編>「九星気学の基本」と「天干(十干)の基本」
をご紹介して参りました。
次回からは「トキハ式・星と天干の90の物語」の<本編>ともいえる
「九星気学 × 天干(十干)」
に入っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
参考ページ
トキハ式・星と天干の90の物語(#0):ナビページ
トキハ式・星と天干の90の物語(#1):九星気学の基本
トキハ式・星と天干の90の物語(#2):天干の基本(前編)
次回予告 ...
#4 「一白水星 × 甲」
どうぞお楽しみに!
(月・水・金曜日に更新予定です)